コンピュータで扱う事のできるデータの形式はベクター形式とラスター形式の2種類です。
ベクター形式とは、コンピュータ内の図形の情報(色やカタチ、位置情報など)をすべて数値(数式)によって管理しています。
モニタでプレビューされている図形は、ソフトウエア内部で演算処理されて表示されているということです。
大きさを変更したり、位置を変更するということは、そのつど数式を書き換えているということですね。
ですから、塗りの色を変更したり、図形を移動するということは、図形の色を定義している数式の変更であったり、
位置を決定しているX,Yの座標軸の書式変更を実行するだけでよいのです。
また、自由な曲線を描く為に、ベクター形式のソフトウエアでは、ベジェ曲線という方式を採用しています。
ベジェ曲線で表せる曲線も数値によって管理されています。
ベジェの線の表現は、線と線をつなぐ点(アンカーポイント)によって決定します。
アンカーポイントの位置情報と、前後のポイントに関係する方向と力の入れ具合を、
コーナーハンドルというものを使って表現します。
コンピュータ以外の世界で考えてみると、建築や製品などの構造物の製図のようなものをイメージするのもいいでしょう。
ベクター形式を扱うソフトウエアの代表として、Adobe Illustratorという印刷を目的としたグラフィックソフトがあります。
Illustratorでは、ポストスクリプトというプログラムにより、ドキュメント内部のすべてのデータを書式化しています。
その書式をポストスクリプト対応のプリンタ(あるいは製版用の高解像度イメージセッター)にデータを送り、
プリンタは、その書式を解読し、画像に変換(ラスタライズといいます)します。
FIREWORKSでは、基本的な図形の描画をベクター形式によって記述しています。
つまりIllustratorと同じ正確な図形を表現する事が可能なのです。実際にIllustratorのデータをFIREWORKSで展開することや
FIREWORKSで作成したデータをIllustrator形式で保存することも可能です。
そして、FIREWORKSはWeb専用のグラフィックソフトですから、最終的なデータの書出しに対して
ベクター情報を持つ必要がありません。書出しに関しては、プレビューの状態そのままのラスターデータで書き出しを行います。
つまり、ベクター形式のメリットである、正確な描画ができる部分を、ドキュメント制作の部分だけに活かしているのです。

グラフィックを数値で管理するベクター形式のデータを扱うソフトウエアは一般にドローソフトとして分類される事が覆いです。
ドローソフトに対して、ペイントソフトという分類があります。
これが、ベクター形式に対して、もうひとつのデータの形式であるラスター形式のデータを扱うのソフトウエアです。
ラスターデータとは、画像をビットマップで構成する考え方です。
ビットマップとは、画像を構成する最小の単位で、その1つ1つのビットマップ(あるいはドットとも言います)をピクセルとも呼びます。
例えば、デジタルカメラ(以下デジカメ)で撮影したデータをFIREWORKSで読み込んでみましょう。
その写真をFIREWORKSのドキュメントウィンドウで拡大してみてみましょう。
…もうこれ以上は拡大できない…という6400%まで拡大すると、1つ1つの四角い色が連続している様子が解りますね。
これが画像を構成している最小の単位である。ビットマップ(ドット)なのです。

写真のような微妙な連続階調をもった画像は、数値で管理するベクター形式では表現できません。
1つ1つのビットマップが連続して変化しているからこそ、表現できるのです。
このようなラスター形式を扱うソフトウエアとして代表的なものがAdobe Photoshopです。
コンピュータで印刷物を生成するDTPのプロセスでは、文字や図形をIllustratorで作成し、
写真はPhotoshopで処理するという工程が一般的です。
ビットマップの集まりであるラスター形式のデータは解像度に依存します。
解像度というのは、ビットマップの密度のことで、dpiという単位で表現します。
dpiとは「ドットパーインチ」の略で、1インチ四方の中にどれだけのドット(ビットマップ)が含まれているかを表しています。
もちろん多くのドットが含まれているほど、密度が高いので、写真を細かい階調によって表現することができます。
一般にDTPで取り扱う印刷のデータは、300dpi程度のデータで保存するのがよいと言われており、
さらにそれを製版用のイメージセッターで出力する際には、1200や2400dpi(あるいはそれ以上)で出力します。
しかしWebの世界では、印刷とは異なり、モニタでプレビューしている状態が最終的な出力と考えればよいので
印刷データのような高解像度は必要としません。ちなみに一般的なモニタの解像度は72dpi(これはテレビも同じです)
FIREWORKSのドキュメント制作時のデフォルトも72dpiに設定されています。
また、FIREWORKSは最終的にモニタの解像度で綺麗に見れればオッケー!
という考え方をベースにしているので、さまざまな部分でラスター形式のメリットがドキュメント制作を行う上に活かされています。
例えばFIREWORKSでは、ベクター形式で描いた図形に対してラスターの塗りの設定を指定することができます。
ブラシの設定や、パターンの塗りの設定がそれで、モニタでプレビューした状態が最終出力であるため、
このような豊富な機能を持ったソフトとして受け入れられているのだと思います。 |
※このページの最終更新日=
2002年12月28日 (土) 3:01 am
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