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先日、久しぶりに出張をした。行き先は広島。

文部省と広島の教育委員会の主催で、中国・四国地区の小学校の先生のみなさんを対象にしたセミナーで、僕はホームページのデザインとツールの環境についてお話をさせてもらった。…トゆうか、いつものデスマッチセミナーの圧縮版である。

1ヵ月ぶりに新幹線に乗った。やはり出張は新幹線である。ここ数年飛行機を利用する場合もあるが、夏場の出張はポケモンカードがもらえるANAを利用することも多いのだが、やはり圧倒的に新幹線を利用している。だって飛行機はタバコ吸えないもんね。
「のぞみ」で広島まで、その後「こだま」に乗り換えて一駅戻り東広島駅で下車。駅前には何もなく見渡す限りの山と畑。あまりにも、のどか過ぎる風景。今年の初めにデスマッチセミナーで色々と地方都市を廻ったのだが、今回はその中でもかなり“田舎”の部類に属する。

お迎えに来ていただいたスタッフの方の車に乗せてもらい、会場に向かうのだが、その途中の景色もなかなかよろしい。ずっと都会で仕事をしてきている僕にとっては、いつかこんな場所で暮らしたい…と思う景色なのである。実際には広島市のベッドタウンとして機能しているそうなのだが、やはり就職の問題などで過疎が進んでいる…という。しかしいずれインターネットによる仕事のあり方が整備されると、人々はこのような素晴らしい環境の場所で、都会と同じスピードで仕事を進めて行けるのではないか…と、ふと思った。
今回の講演は、小学校の先生を対象にしたもので、約1週間『教育とインターネット』というテーマで毎日講演が行われるというもので、僕はその中の1セッションを担当させていただいたのである。受講者の先生方は、学校に戻ってから、再び学校内の先生達に『教育とインターネット』を解いていく立場にある。いわば“先生の先生”なのである。従って僕は、“先生の先生の先生”ということになる(なんのこっちゃ)。

先生の先生の先生である僕にも小学校の娘がいる。娘の小学校にもパソコンが導入されており、1ヵ月に1回くらいの割合で、パソコン教室に児童が集められてパソコンの操作を覚えるらしい。ちなみにうちの娘は、幼稚園の頃からMacintoshをオモチャにしていたので(僕が仕事で使わなくなった古いマシンを与えていた)、マウス操作もキーボード入力も習得していた。授業の中で作成したキッドピックスのデータを勝手に「保存」を行い先生に怒られたらしい。また「先生〜、Photoshopはないんですか〜?」と言ってヒンシュクを買った…とも聞いた。

そんな感じで小学校のパソコンの授業なんて、現状では「教育」という部分とはあまり関係のないところにあると言ってよい。まだまだ教育の現場でのパソコンは特殊なものであり、実践の教育のためのツールという部分からは遠い存在にある。
…なんてことを、講演終了後に教育委員会の皆さんと話していたら、「その通 り」という返事が帰ってきた。インターネットによる授業というよりは、「インターネットというものがあるんだよ〜」というような、社会見学的な扱いであるという。
しかし、この環境もあと5年くらいで大きく変わるらしい。現在はモデム接続によるインターネットが、5年後には1.5MBの常時接続になるという。さらにパソコンの台数も増え、各教室に配備されて、それぞれの小学校の教室から1.5MBでインターネットに接続されるということなのである。

教室に虫の観察箱や植木鉢やオルガンなどと同じようにパソコンがやってくるのである。その話を聞いて僕は「ふーん、やっとそうなるのか…。でも、僕の知っている小学校ではすでに教室でインターネットを使って授業を行っているところもあるんだけどなあ…」などと思っていた。けど、よく考えたら、全ての小学校がその環境になる…ってことは凄いことだと思ったのである。

読者のみなさんが、今こうしてインターネットのメール配信で情報を受け取っている…ということは、日本全体のレベルで言うと、まだ「進んでいる」種類に属しているのだと思う。また接続環境に於いても安価な常時接続を利用されていることだろう。でも、思い出してほしい、数年前までは電話回線でモデムを使うことが一般 的で(ちなみに僕はまだ、自宅ではモデム接続ですが…)毎月高額な電話料金とプロバイダ料金を支払っていたはずである。それが、5年後にはすべての小学校が1.5MBの常時接続になるのである。
おそらく、小学校が1.5MBの常時接続になっている…という時代は、その環境は特別 なものではなく、むしろ「最低限の環境」なのである可能性の方が大きいだろう…と話もされた。小学校が1.5MBで接続されているということは、各個人の接続環境はもちろん、ほとんどの企業もインターネットによる情報網が完全に整っているだろうし、公共施設も同様であろう。

そんな時代になった時に、我々クリエイターは何をしているのだろう?

…そんなことを考えて帰りの新幹線に乗った。もちろん今以上にWebデザインと言う仕事は需要になるだろう。単にデザインだけでなく、Webサイトを構築できるノウハウがないと食っていけないのは今も同じだが、今後はさらにDB連携などの高度なスキルが必要になるに違いない。
そして、もう一つ思ったことは、インフラの整備がさらに進み、国内の環境が大容量 のデータ転送が可能になった時代に流通するコンテンツの変化だ。Webデザインの仕事を開始して5年になる僕も現在の仕事の中心はHTMLをベースにしてGIFやJPEGをイメージソースとして添付するオーソドックスな手法である。もちろんFlashもたまに使うが、それはFlashが小さいファイルサイズで大きな表現を実現できることが理由だ。やはりファイルサイズとの格闘が最も大きいテーマなのだ。

しかし全ての小学校が1.5MBの時代になる頃には、現在リッチメディアと呼ばれているテクノロジーが確実に脚光を浴びる。だって静止画よりも動画、もちろん動画になれば音声も欲しい。さらにインタラクティブな仕掛けにもワクワクしたい…と願うのが参加する立場の言い分だから。Shockwaveはもちろん、映像&音声ストリーミングがさらに一般 的に波及することは間違い無いと思っている。

デジタルでモノを作る人々の第一世代は、アナログからDTPへのシステムの変化で、多くの人々が苦労してきた。第二世代はマルチメディアというジャンルだろう。そして第三世代ではインターネットということになる。このインターネット…特にWebデザインでは、第一世代の時と同様に「今までのことは無かったことにして…」という切り捨てが再び施行されてしまった。次は第四世代の時代に突入する。そんな気がしてならないのである。

※この原稿は日刊・デジタルクリエイターズに掲載したものです。

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